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事例紹介 送電線の下でレッカー作業!!

事例紹介 送電線の下でレッカー作業!!

2024-02-24

撤去作業をおこなった事例紹介ですが、現場は屋上に設置された機械(1,100kg/台)6台の撤去依頼でした。

 

始めにお客様の担当と現地視察をおこないながら、周囲の環境説明を受けました。

 

敷地は広く、建物も大きくて高い建造物。

 

その敷地真上を斜めに走る送電線はなんと77,000Vという事で、レッカーを使用した撤去の場合、最端の荷物の真上が保安距離内となるため、地切り作業にも注意が必要となります。

 

というのも屋根の作りは折板ですが、建物を横から見ると増築されたためか凹型になっており、中央の低い部分に架台を設置し、機械が固定されている状態のため、1.1tの吊り荷が振れれば工場を損傷する恐れのある状況でした。

 

下見の段階で、電動工具での切断作業をおこなう事をお伝えしましたが、架台を撤去すると振動やねじり等で防水加工の硬化したコーキングが割れる恐れがある事をお伝えし、架台残しとなり、作業日程も決まりました。

 

次いで、レッカーのオペレーターを含めて再度現地視察に入り、距離を計測し、レッカーの駐車位置の案を決めることで、レッカーのサイズも決定します。

 

たまたま別の撤去品の関係で、現地へ事前に25tレッカーに入ってもらったので、そのタイミングで駐車場内にてブームを最大に延長し、角度を計測して、作業範囲の目安を定めました。

 

また、その段階で機械と架台の分断作業、足場の切断と吊り上げ準備、周辺にある撤去品をまとめ吊り上げ準備もこのタイミングでおこない、撤去当日は必要最少人数の入場となる様に事前準備をおこないました。

 

そして中部電力の当日立ち会って頂ける注意喚起を促す保安員と共に、高圧電線との距離を計測してもらい、作業当日の段取りについて最終打ち合わせをおこないました。

 

通常ではBOXに道具を入れて搬入し、レッカーでBOXを吊り上げて作業場所周辺へ降ろしますが、折板の屋根を傷つけそうなので袋に入れて準備をし、レッカーで屋上へ道具を吊り上げます。

先の事前準備で機械のアンカーボルト(固定金具)を切断しましたが、全てのアンカーボルトを外してしまうと万一巨大地震でも起これば、機械は屋根の上に落下してしまうため、各2本ずつのアンカーボルトを直ぐに緩められるように準備しておきました。

 

アンカーボルトを取り外すと、レッカーのオペレーターへ無線で指示をし、機械真上付近へ誘導し、玉掛作業に入ります。

 

経年劣化と共に、寒暖の差や本体の発熱に伴い、免振ゴムが機械と架台に癒着しており、オペレーターに地切り(吊り荷が5~10cm程度浮き上がる事)可能重量を超えたあたりで待機していただき、人力で剥がす作業をおこないます。

 

重量物を吊り上げられるレッカーの能力に頼り、強引に架台から吊り荷を吊り上げた場合、剥がれた際の吊り上げ能力と、吊り荷の荷重の差の数値分、吊り荷がカチ上げられて、安全な荷役作業はできません。

 

よってオペレーターと頻繁に交信し合い、重量確認と重心位置の調整をおこなった後に剥がします。

 

吊り上げた荷物から落下物が無い事を確認してから、凹の高い方の屋根上までワイヤー巻上後、オペレーターへ操作を委託し、地上の大型トラックドライバー誘導のもと積み込みをおこないます。

 

屋根上ではその頃次の吊り荷の吊り上げ準備と、空き時間で架台に残った免振ゴムを剥がし、アンカーボルトを取り外していきます。

 

一台の機械を降ろす作業時間は10分強で、3台目で一度レッカーの位置を移動し、5台目までは順調に進める事ができました。

 

最後の1台は77000vの送電線保安距離に重心真上が掛かるため、吊り荷が振れない様に架台にハンドをかけ、地切りと同時に機械が振れ、工場屋根に接触しない様に準備をおこないます。

 

実際には保安距離と重心真上との間隔はおよそ70cmほど、架台と屋根との間隔は2mほどあり、スムーズに地切りができれば吊り荷の振れ幅も少なく、全く問題はありません。

 

ただし、癒着した架台と機械が一気に剥がれた場合や、6か所ある免振ゴムの角一か所だけ残して剥がれた場合、吊り荷は回転しつつ振れる可能性もあるため、保険の意味でハンドを掛けておきました。

 

実際には振れ自体もほとんどなく、機械も送電線から離す方向へ誘導したので、保安員さんにご迷惑をおかけする事もありませんでした。

 

機械を全て降ろしてから、足場の撤去を3ブロック荷下ろしする予定でしたが、吊り荷にたわみが酷く、折板の屋根を傷つけそうだったため、5ブロックへと切断しました。

 

周辺什器(足場、保温パイプ、電源ケーブル用塩ビパイプ)もレッカーで降ろした後、架台周辺のゴミや切断した金属くずの残りを道具と共に袋へ詰め、弊社トラックへ積み込み作業を終えました。

 

屋根上には鳩のフンが大量に残っておりましたが、そこは弊社の管轄外だったので、お客様と保安員さんへ挨拶をして帰社しました。

 

ちなみに今回の作業では、買い取り品目の重量も周辺什器6.6t以上あったため、50tレッカーチャーター費用および大型トラック搬送費も含め、弊社がスクラップとして買い取りできたため、お客様は撤去費用が掛かりませんでした。

 

ただし、事前にお客様依頼の元に電気工事会社が縁切りをおこなっていたので、撤去工事と搬出作業費が弊社の関わる経費となっております。

 

今回の様に特殊なケースでの撤去品があり、どこへ依頼して良いのか分からないという方は、ぜひご相談ください。

電話 0532-31-0771

info@sakuma-recycle.com