狭い道の先にある町工場
残すところ一件となったスコップを使ってダライ粉の積み込みをおこなうお客様のお話です。
古くからある街並みでは、道路が狭くて途中くねくねと曲がる様な地域がありますよね。
今回のお話は創業からほどなくしてお取引頂ける様になったお客様の事例です。
昔は多くあった人力によるスクラップの積み込み作業も、弊社ではかなり少なくなっております。
近年ではお客様の会社によく見かけるようになったフォークリフトやホイスト等により、BOX管理をされるお客様が増加傾向にあります。
実際、土間を見ると不要となったスクラップが散乱するよりも、BOXに収まっている方がスッキリしていて、取引先の視察がある場合でも、とりあえず弊社へBOXを引き下げ、視察後に再度設置する事はよくあります。
とはいえ昔から営む町工場では、土地が狭くて設置する場所が無いケース、工場出入り口から近くにスクラップの保管場所を設けると、どうしてもバラ積みとなってしまう等、様々な要因があります。
今回の事例では、ホイストやフォークリフトの様な設備が無く、乗用車サイズでギリギリ通過できる門構えにより、2t平ボディトラックによる鉄ダライの積み込みのお話となります。
門柱の間隔が狭く、2tサイズでもバックミラーを折りたたんで入門する状況ではありますが、土間の広さは方向転換できる現場になります。
保管場所は工場出入り口から右隣の搬入しやすい場所となり、土間へ切削油が流れ出さない様に少々高くコンクリートが打設されております。
保管状況は物置の一角の壁を無くし、出入り口は木板を差し込んで高く積み上げられる様に工夫されております。
漏出対策をされているとはいえ、木板の下から切削油がにじみ出るため、油吸着材でしっかりと環境に対する配慮もされておりました。
写真に写る大きなスコップとビッチュウは弊社からの持ち込み道具になります。
まず2tトラックを横付けに駐車し、アオリよりも高く積み込むため、1枚目のトタン板をボディ奥側に立てかけて量増し対策をおこないます。
また、積み込みはスコップによる手作業となるため、作業効率を重視して手前のアオリを開けるため、写真の様に手前側に立てる2枚目のトタン板をトラックへ立てかける形で地面に置きます。
しかも2枚目のトタン板は、鉄ダライをスコップで投げ入れる際にこぼれるダライ粉が、トラックの下へ入り込むのを防ぐ効果もあり、最後の清掃作業も時短できますのでお勧めします。(アオリとボディの隙間から多少はトラック下へ落ちます)
作業開始は保管場所に差し込まれた木板の一枚目を抜き取り、2枚目のトタン板周辺をダライ粉の飛散防止でガードする様に置き、積み込みを開始すると保管場所の中ほどにある2列目の木板を抜き取り、さらにガード範囲を広げていきます。(木板は全部で4枚あり、同様に周囲を囲んでいきます)
スコップを使ってトラックへダライ粉を投げ入れていくと、必ずお釣りが帰ってきます。
お釣りとは、勢いよく投げ入れたダライ粉が跳ね返り、トラックからこぼれ落ちてしまう状況を指します。
そのため、金ダワシの様なパーマ状の鉄ダライをボディ手前側に並べ、飛散したダライ粉がこぼれ落ちない様に土手を作ります。
今回のお客様の鉄ダライの総量が、片側のアオリを開けて積み込んだ場合、写真に見える1枚目のトタン板の上ギリギリまで投げ入れなければならないため、土手を作らない場合と比較して、最後の清掃もかなり時短できます。
積込作業は一度ダライ粉をビッチュウで崩し、スコップで掬いやすい厚みに掻き出します。
その後掻き出した分をスコップで積み込みますが、この作業をおこなうと真夏であれば熱中症のリスクがあり、今回は梅雨入り前で助かりました。
ほとんどのダライ粉を積み終わると、清掃作業時に2枚目のトタン板が邪魔になるため、アオリを閉めてトタン板を積み込みます。
奥側に山積みしたダライ粉をそのままに帰社すると、トラックが傾斜しており門柱に当たるため、バランスをとる意味もありダライ粉を崩します。
ボディ左側へ山積みして、右側は薄く積みあがったダライ粉を、2枚目のトタン板を積み込んだ後、ダライ粉の山が水平になる様にビッチュウで崩していきます。
全ての作業終了後の写真は撮り忘れてしまいましたが、その後に搬入した道具を積み込み、トラックを少し移動して土間の清掃をおこないます。
今回はお客様も手伝ってくださったので、清掃方法は変えましたが、通常弊社作業者だけで清掃作業をおこなう場合、駐車スペースに少しだけこぼれ落ちたダライ粉を、ほうきを使用してダライ粉の保管場所へと掃き込みます。
そして保管場所の梁などに残ったダライ粉を掃き落としながら、壁際へと集めて、最後にスコップでかき集めながら積み込みます。
この方法と通常の土間に掃き集める方法の違いは、土間に掃き集めた場合、カールされたダライ粉はよく転がるため、掃いた勢いから集める場所を通り越し、掃き終わった場所へと散乱する事も多々あります。
それに比べて保管場所へ掃き込む場合では、3方向が壁に囲われた保管場所へ目掛けて掃き込むため、ほうきの力加減も必要なく、1掃きで広い範囲を掃除する事ができるメリットがあります。
また、それでも散乱してしまったダライ粉や、掃き忘れたダライ粉も当然あるため、最後にマグネットを使って土間を一掃して作業を終了します。
そんな一手間にお客様がお喜び頂き、長い期間のお取引を頂けたのだと自負しております。
今回の投稿は走り書きの様に事例紹介させて頂きましたが、この様なケースで引き取り依頼先の業者にお悩みの方は、ぜひ一度お声がけください。
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