買い取り単価のお問合せについて
時々、お電話にてご連絡を頂くお問合せですが「今の金属くずの相場を教えてほしい」という内容です。
この問い合わせ内容では金属くずとさせて頂きましたが、お問合せ頂ける金属の種類でご連絡を頂けますので、種類ごとのご説明をさせて頂きますが、ほとんどのケースでは「現物を確認しないと正しい単価をお伝えできない」というお返事となります。
ケース1 【 銅 】
銅や電線といったワードでご連絡を頂けますが、一括りに言って銅と思われがちですが、様々な種類がございます。
弊社では上銅という種類もございますが、ほとんどは込銅という銘柄で購入させて頂いております。
理由としては、価値が高いと思われる銅で、一品物と判断できる状況は、工場や取扱店で銅だけを箱へ入れてお持ち込み頂ける場合のみ、上銅と保証はされますが、一般のお持ち込みに関しては箱の上辺だけ上銅で、下層は込銅や真鍮等の不純物や保護材が付いたままお持ち込みされるケースもございます。
その場合、弊社作業者が切断して分別する等の一手間を加える事が多いため、お持ち込みされた際に必ず箱を空けて、内容確認をさせて頂きます。
また、銅線に関しても、銅の単体の線の太さによって単価も変わり、鉛筆の芯の様な太さであれば俗称のピカ線と呼ばれた被覆付きの銅線、髪の毛の様に細い銅を束にして被覆された銅線、現在では銅の代わりにアルミ線を使用した物等、太さの違いも合わせると様々な種類がございます。
髪の毛の太さの銅の場合、熔解する際の熱で燃え尽きてしまい、炉に投入された重量の1割近くも再資源化できないらしく、被覆を剥いても込銅と同様の価値となるそうです。
また、ピカ線ならば高額で買い取りできそうなイメージですが、経年劣化や寒暖差や使用環境の状況により、被覆を剥くと変色した銅も多々見られます。
変色した銅も込銅扱いの価格となるため、申し訳ございませんがピカ線と言えど安価となってしまいます。
銅の様に高額な単価になれば、当然品質の保証もメーカーから求められるため、どうしてもそれなりの買い取り価格となってしまいます。
また込銅として銅板の価格をお問合せ頂いた場合でも、現物がステンレスに銅メッキをされた場合、磁石で反応しないためお客様は「銅」と言ってご連絡されますが、金属の音を聞くと高い音がしたり、銅にしては輝きが在りすぎる等、それなりの特徴が確認できた時点で安価となります。
また、銅・真鍮・ホウキンといった俗称「黄」や「赤」等を加工した際に出るダライ粉ですが、弊社のお取引先ではほとんどがドラム缶やPP袋等で管理保管し、弊社へとお取引頂けます。
容器に関しては、保管場所の状況に合った物を選択頂ければ構いませんが、旋盤などの加工品の種類が銅一択、真鍮一択、ホウキン一択で加工される工場であれば、買い取り単価も相応でご対応させて頂きます。
というのも、現在の成分分析機は野球のスピードガンの様な形状で、例えばPP袋の外から分析器を当てるだけで混入物が有るか判ってしまうらしく、加工した旋盤が以前に鉄を加工していたのであれば、銅と鉄という表記がされてしまうそうです。
結果としてお持ち込み頂いた時点で、不純物を目視で確認した時点で混入物のある品種としての買い取り単価となってしまいます。
ケース2【 アルミ 】
アルミニウムも買い取りの種類が多く、よくお持ち込みされる種類ではアルミサッシA(不純物の無い物)、ビス付きサッシ(ネジ・リベット・樹脂パーツ等が付いた物)、機械コロ(肉厚でダイキャスト製品)、合金コロ、込みアルミ、アルミ缶(中身を抜いてください)が多く出ますが、PS版(印刷会社でしか出ない)は紙くずを引き取りに伺う印刷会社でも出ます。
アルミニウムは比重が軽く、鉄の様な不純物が付いていた場合は、工業雑品という鉄くずと同様の価値まで下がるケースもございます。
車のパーツ等でよく見かけますが、本体のケースはアルミで中にプーリーやギヤ等があり、重量比率では鉄の割合が目立ってしまう様な物がその類となります。
また、ホームセンター等で売られているアルミ製品では、繋ぎ目のパーツが樹脂・鉄・丹入といった不純物も含まれるため、やはり現物確認後に単価が下がるケースもございます。
ケース3【 ステンレス 】
ケース1【 銅 】でも記載した銅板風のステンレスですが、主に屋根材や雨どいで見受けられます。ステンレスに銅メッキがされた場合、ステンレスのメーカーも購入不可となり、工業雑品という扱いとなります。
弊社買い取りのステンレスは、18ー8ステンレス(基本は磁石に反応しない)・13クローム(未使用品に限る)の2種類です。
18-8ステンレスは、加工された状況に応じて磁石に反応してしまう場合もございますので、検品した際にご説明させて頂きますが、18-8ステンレスと判断されれば相応額で買い取りをさせて頂きます。
18ステンは少しだけ磁石に反応しますが、磁石にくっついた状態で持ち上げ、軽く振ると剥がれて落ちるイメージで、買い取り単価は18-8ステンレスと同額となります。
13クロームの特徴は磁石が鉄と同様に反応し、買い取り単価も鉄に近い単価となります。
13クロームの板では、両面が鏡の様に綺麗な状態が特徴です。
ちなみに18-8ステンレスの板では、片面がステンレスの色合いで、もう片面が鏡の様に綺麗な状態が特徴になります。
ケース4【 鉄 】
鉄のお問合せが一番多いのですが、品種によって値段に差が出ます。
買い取り伝票上では種類が少なければ鉄・長尺・2級鉄・缶ブリキといった表記一択となりますが、買値としてはそれぞれに差が出ます。
理由としては溶鉱炉に入る大きさで、不純物が少なく、肉厚で重量がある物は買い取り単価も高くなります。
逆に溶鉱炉に入らない大きさで、不純物があり、機械による加工ができない物は安価となります。
イメージでいうとフォークリフト等は分かりやすく、シート・バッテリー・タイヤ・配線等が付いており、肉厚でギロチン等の機械加工ができず、炉に入る大きさへとアセチレンガスによる溶断が必要となります。
また、缶ブリキも体積の割に肉薄で、内容物の重量も加味され、評価が下がる要因となります。
お電話にてお問合せを頂いた際にお答えした単価と、お持ち込み頂いた際の買い取り単価に誤差が出る要因は他にもございますが、お電話でお答えした内容とどうしても差が出てしまうケースの例として挙げさせて頂きました。
お客様のご説明の内容では確かに間違いは無いのですが、不純物の付着、大きさ、品種等により、価格が変わってしまうという事を念頭に、お問合せをお願い致します。
また、相場の変動は日によって変わります。
お問合せ頂いた日から、数日経過した時点で、上振れは喜ばれますが、下振れはご理解を頂くしかないという事も、改めてお伝え申し上げます。