TVで報道された紙くず買い取りの件
令和4年のお盆休み期間中に、テレビで東京の古紙買い取りの件で特集があったようですね。
残念ながら私は見ておりませんでしたが、ゴミステーションより持ち出した古紙を搬入すると1kgあたり10円以上の買い取りだとか、さらにメーカーへ持ち込むと1kgあたり20円以上で売買され、古紙の盗難が相次いでいると放送されたそうです。
メディアはとにかく過剰報道を常に行います。
本当にそこまでの金額で売買できるのであれば、豊橋市の古紙リサイクルステーションに集まった古紙は、夜中の間に盗難に合うはずですし、我々リサイクルヤードも同様に買い取りをおこないます。
他の地域の動向は不明ですが、豊橋市の古紙問屋はまだ価格を据え置いております。
特に東三河で集めた古紙を国内で再生される場合、製紙工場まで陸送で運ばなければなりません。
また船で輸出する場合においても、名古屋港周辺の倉庫に一時保管するため、積み替えの手間とランニングコストが高くなります。
よってテレビで報道された様な金額での取引をしている業者は、東三河では皆無かと思われます。
そして報道にあった古紙リサイクルヤードは集めた古紙を海外に輸出していたそうですが、その様な会社へ委託するのも現在の日本の動向から逸脱している行為とも言えます。
輸出先国は存じ上げませんが、日本の再生における管理はかなり高い品質を維持していると聞いております。
簡単に説明すると古紙を再生する時に、圧力釜で煮立て、薬品を使用して漂白をおこない、糊を使って一枚の紙を成形します。
この作業は現在流行りのSDGsにより、環境にやさしい薬品を使い、必要以上に神経を使って品質を求め、人体に影響のない(と思われる)紙を製造しております。
ところが海外の話を聞くと、溶かした排水は垂れ流し、適当な目分量で薬品を使用し、効率重視の段取りで作成した紙を、安価で世界に流通させていく。
他にも日本は脱炭素を目標に掲げ、燃料を化石燃料からバイオマス発電に切り替える努力もおこなっております。
しかしとある外国の企業では、国が環境問題を取り組まないことに胡坐をかき、CO2を排出しても全く意に介せず自由に利益を追求して再生処理をおこないます。
そんな持続可能な社会とはかけ離れた製造環境でこそ、利益重視で再生処理すれば古紙を高価で集めることができるのです。
日本の古紙は品質が良いと聞きます。
その古紙を利己的な海外企業に売却してはいけません。
そして古紙の金額を上げるのであれば、リサイクルペーパーを進んで使用してくださることが、古紙の価値を高めることができます。
現在の国内でのリサイクルペーパーの使用率は年々減少傾向にあります。
できれば普段使用する紙もリサイクルペーパーを選んでください。
そして末永くお付き合いするために、安易に海外へ輸出してしまう古紙回収業者ではなく、国内で地産地消する古紙回収業者とお付き合いすることを願います。